合唱団コルス・フローレス
第11回定期演奏会 プログラムノート
第1部 無伴奏宗教曲
グレゴリオ聖歌は、ローマカトリック教会の伝統的な単声の聖歌です。
クリストバル・モラレス(1500−1553)はセビーリャに生まれ、イベリア半島出身で最初の大作曲家として知られるようになります。
ウィリアム・バード(1542−1623)はイギリス音楽の父と称される、イギリス史上最大の作曲家です。
ハインリッヒ・シュッツ(1585−1672)はドイツの伝統的なポリフォニーとイタリアのコンチェルト様式を融合し、ドイツ・バロック音楽の礎を築きました。
それぞれの時代や場所の違いによる曲の変化を楽しみながらお聴きください。
第2部 混声合唱のための「おらしょ」−カクレキリシタン3つの歌− 千原英喜作曲
「おらしょ」はキリスト教が禁じられた頃、かくれキリシタン達が唱えていた祈り=Oratio(おらしょ)が歌詞です。
徳川三代将軍家光の時代、キリシタンに対する弾圧と迫害はきびしくなり、外人宣教師が国外に追放あるいは処刑されてしまうと、キリシタンはきびしい取り締まりの目をのがれるため各地に潜伏してひそかに信仰を守るようになりました。
このような潜伏キリシタンのことを「かくれキリシタン」とよばれました。
彼等は長崎県に多い人里離れた島々に住み、250年間に及ぶ江戸幕府の弾圧や迫害をたくみにのがれて信仰を守りつづけました。
これは世界の宗教史上でも類例のないことです。
しかも、明治時代になっても教会に戻らず、そのままの信仰形態を続けました。
彼らを発見した宜教師達は、彼らの守り伝えて来たものからある部分が抜けていたり回数が間違っていると書き記しているそうです。
ところが確かめてみると、それは潜伏に入った当時のままの形で正しく伝承されており、宜教師の覚え知ったものの方がその後のヨーロッパで付け加えられたり変化したものだったというのは驚きです。
かくれキリシタンの祈りを中心に曲は構成されていますが、その中に巧みにグレゴリオ聖歌がはさまれてきます。
これがじつに効果的で、聴いている皆様を幻想のキリシタン世界へと誘ってくれるでしょう。
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ソリスト 塚田孔右(テノール) 平成5年東京音楽大学声楽(オペラコース)専攻卒業。同大学研究科修了。 乗峯静男、栗林義信、田代誠各氏に師事。 平成10年皮群馬県新進芸術家海外派遣事業に選ばれ、イタリアミラノ市に留学。 国民文化祭ぐんま2001歌劇「みづち」(天河役)出演。 2002年1月、初のソロリサイタルを行ない、好評を得る。 現在、県立新田暁高等学校教諭。 |
第3部 混声合唱組曲「心の四季」より 高田三郎作曲 吉野弘作詩
合唱曲「水のいのち」などで広く知られる高田三郎氏の作品は、日本語と音楽が密接に融合し、日本語が生き生きと表現されています。
また、吉野弘氏の詩の精神性・文学性が非常に高く、日本の様式性、時代性、民族性が深く内包されています。
実に繊細で美しい、変化にとんだ曲調で、私達に何か考えさせられるような問いかけを求めています。
春 風が桜の花びらを散らす… 夏 光が葡萄の丸い頬をみがく…
秋 雨が銀杏の金の薬を落とす… 冬 雪が全てを真白に包む…
風のあたたかさが、夏の輝きが、秋の雨が、雪の静けさが、ありありと描かれています。
みずすましの生きる姿をとおして自然の厳しさ、やさしさが表現されています。
激しく降り積もる雪が描かれています。
そこには生や死への想いが伝わってきます。
そして、すべてのモノが静かに浄化され消えて行きます。
そんな清らかな音楽に浸ってみてください。
第4部 混声合唱による美空ひばり作品集
美空ひばりさんは、日本を代表する最高のエンターテイナーであり、「永遠の歌姫」「歌謡界の女王」と称される偉大なボーカリストです。
1937年5月29日に生まれ、1946年、第二次世界大戦が終結した翌年、弱冠9歳で芸能界デビューしました。
その後彼女は「天才少女歌手」として一躍スターの仲間入りをし、歌や映画を通じて、日本人の心を癒し、励まし、希望を与えるという大きな役割を果たしていきました。
1989年、美空ひばりさんは52歳の若さで永眠いたしました。
彼女の歌姫伝説は亡くなって15年目を迎える今日にも、テレビで特集が組まれたり、彼女を懐古する出版物が刊行されるなど、私達の国で語り伝えられています。
美空ひばりさんの名曲が軽快な雰囲気にアレンジされています。美空ひばりさんと同じように皆様の心を癒し、励まし、希望を与えることができれば幸いです。