アムールの音楽家たち 愛と平和のコンサート
プログラムノート


第1部

1.「リンリンリン」
 月の光に映える雪の道を鈴の音とともにトロイカが駆けゆく。トロイカにゆられていく若者は過ぎし春の日、可愛い恋人との幸せな日々を想い出す。鈴の音はまるであの時の彼女の声…

2.「鈴の音は単調に鳴りひびく」
 夕暮れのほこりの舞う草原の道をトロイカがもの憂げに鈴を鳴らしながら行く。遠く続くその鈴の音を耳にすると、故郷のなつかしい夕べが走馬灯のようによみがえり、胸をしめつける。

3.「蚤の歌」
 王様は蚤を飼っている。何と蚤を可愛がっている。まわりの者は大迷惑。しかし、誰もそれを王様に言わない。そこでメフィストフェレスが登場し、蚤退治をせよと言う。王様に寄生するとりまきを皮肉る歌です。

4.「赤いサラファン」
 娘の嫁ぐ日を胸に、赤いアラファンを縫う母親に向って娘は「私は、お嫁にゆく気はない、サラファンなど縫ってもムダよ」と言う。母親は「そんなことを言っていると、お前の若さも色あせていってしまうよ。私も若い頃はそう思ったものさ…」とさとす。

5.「小さなぐみの木」
 ぐみの木を娘に、道と広い川をへだてて立つ一本のかしの木を若者にたとえ、かしの木に思いを寄せながら、とげられないぐみの木の恋をうたう。“ぐみ”はナナカマドのこと。

10.「歌に生き、恋に生き」
 売れっ了の歌姫トスカは恋人ガヴァロドッシが死刑を宣告され、捕えられている監獄にかけつけ、そこで下心のある監守長にはばまれる。
 トスカは自らの不幸を嘆き歌う。

11.「二匹の猫の滑けいな二重唱」
 歌「オテロ」の旋律で「ミャーオ」という猫の鳴き声だけで歌われる。シャーリナとジバエードフの絶妙のコンビが見どころ。

12.「ダニーロ登場の歌」
 ダニーロは、パリのレストランで飲みあかし、いい気分の所へ突然、勤務先の大使館から呼び出しが。「眠いのに、何ってこった」と文句を言いはじめる。

13.「ヴィリアの歌」
 大富豪の未亡人ハンナは、想いを寄せるダニーロの心をつかむために、“妖精になって森などに住んでいる”という乙女、ヴィリアの歌をうたう。


第2部

1.「リンゴの花咲く頃」
 今宵、庭に咲くリンゴの木の下で、恋人が夢を語り合う。

2.「アムール河の波」
 ロシア極東と中国との国境を流れる大河アムールは「母なる河」に対して「父なるアムール」と呼ばれ、人々に愛されている。アムールの美しさをたたえてうたう。

3.「おゝカリーナの花が咲く」
 映画「クバンのコザック」から。映画ではヒロインがコザックの兵士を秘やかに恋している。春のおとずれとともに咲いたカリーナの花に娘の思いはつのるばかり…

4.「黒い瞳」
 娘は黒い眉、黒い瞳の若者に恋をした。逢いびきする若い二人に父親は気づいていない…

5.「道」
 ブーリャン(灌木)の生い茂る南ロシアの荒れ野を貫く一本の道には戦場があった。激しい戦いに命を落としていった友人たちが思い出される…

6.「カリンカ」
 カリンカはカリーナという小さな赤い実をつける灌木とその実の愛称で可愛い娘、花嫁を象徴している。古くから結婚式の時にうたわれた。集まった人々がみんなで陽気に歌う。


アムールの音楽家たち プロフィール

ソプラノ ラリーサ・シャーリナ
 ロシア連邦功労芸術家。国立プリモールスキー交響楽団専属ソリスト。
 1959年生まれ。国立ウラジオストック芸術大学声楽科卒。卒業と同時に国立プリモールスキー交響楽団のソリストとして活躍を開始。オペラ“リゴレット”“椿姫”などで主役を演じ好評を博す。95年民族アンサンブル“オリジナル”のソリストとして度々来日している。そのレパートリーは、ロシアの民謡や歌曲からイタリア・オペラのアリア、そして彼女の歌う日本の叙情歌(落葉松・初恋・赤とんぼ等)の演奏は、その表現力と美しい声で多くの聴衆を魅了している。
又、ジバエードフとデュエットで歌うロッシーニの「猫」は、天下一品である。
バリトン ウラジーミル・ジバエードフ
 ロシア連邦功労芸術家。国立ハバロフスク交響楽団専属ソリスト。
 1949年、ウクライナ生まれ。国立クラスノヤルスク芸術専修カレッジ・ミュージカル俳優科、国立ハバロフスク文化芸術学部卒。
 75年、国立クラスノヤルスク・ミュージカル・コメディー劇場で音楽活動を開始。次第にソリストとして才能を発揮し、数多くのオペレッタの主役を演じ、ロシア全土の演奏活動を展開している。96年から日本でのコンサートを開始。99年夏には、広島で開催された演奏会で女優の吉永小百合と“ロシアの歌と詩”のユニークな企画に参加。その後も岩崎加根子さんとも同様な試みを続けている。
ピアノ ウラジーミル・ブードニコフ
 1965年アムールスク市に生まれる。国立グリンカ名称ノヴォシビルスク音楽学院卒。
 極東で最も売れっ子ピアニスト。
 ソリストとして精力的に演奏活動を展開し、市民から高い評価を受けているが、02年春に、国立ハバロフスク美術館でジバエードフと共演し、伴奏者としても絶賛された。

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