合唱団コルス・フローレス
第1回定期演奏会 プログラムノート
第1部 ア・カペラ
Adoramus te Chiriste(御身を崇めん、キリストよ)
作曲者アイヒンガーは16世紀末から17世紀初頭にかけて活躍したドイツの作曲家。
音楽を学んだのは当時最も華麗な教会音楽が行なわれていたヴェネツィアで、この曲も非常に華やかな響きに満ちた曲である。
……御身を崇めんキリストよ、御身は十字架により世の贖いをなせばなり、と歌われます。
Mater Patris et Filia(御父の母にして娘)
作曲者はブリューメル、フランドル楽派の作曲家である。
この曲は追いかけっこをしていくようなポリフォニーの中に和声的な部分が程よく混じり、全体が見事な構成となっている名曲である。
歌詞は「アヴェ・マリア」と同じようなもので、マリアを讃え、我らの祈りを聞きたまえ、と救いの願いが歌われます。
Lady, those eyes of yours.(おみなよ、そなたのそのまなこ)
モーリーは、イギリスの作曲家です。
本業は宗教音楽の作曲者であり、且つ理論書の著者として知られた人です。
しかし、たくさんのマドリガルのたぐいが、とりわけ人気を博して、今日ではその分野の作曲家として有名になっています。
この「おみなよ…」はカンツォネッタですが、ルネッサンス時代の宗教曲ふうのポリフォニーが主体となっています。
……おみなよそれらの美しいまなこはかくも涼しく輝く、と歌われます。
It was a lover and his lass.(若い衆と娘が)
前曲と同じ作曲者はモーリーです。
この曲は、そもそもはリュート伴奏の歌(アリア)として書かれたものです。
モーリーと、ほぼ同じ時代に活躍したシェイクスピアの劇「お気に召すまま」の劇中歌でした。
……楽しい恋人たちは春を喜ぶライ麦の畑の間に(ヘイホウ)……と軽妙に歌われます。
第2部 女声合唱組曲「遙かな歩み」
高田三郎はグレゴリオ聖歌の旋律感の上に日本語を乗せ、美しく歌わせる手法を確立した作曲家です。
この曲も女声合唱の傑作で、日本の女性の思いを時間的空間的広がりをもって抒情的に歌われます。
幅広い年令層を持つこの合唱団の幕明けにふさわしい曲ではないかと思います。
第3部 映画音楽
「チム・チム・チェリー」
ディズニーならではの愉快なファンタジー・ミュージカル映画「メリー・ポピンズ」の主題歌。
煙突そうじのおじさんが屋根の上で歌う、楽しく、それでいてどこかもの哀しいナンバーです。
「虹の彼方に」
ファンタジー・ミュージカル映画の名作「オズの魔法使い」の主題歌。
当時16歳だったジュディ・ガーランドが歌ったこの曲は、アカデミー主題歌賞に輝き、その後もスタンダード・ナンバーとなっています。
「ロミオとジュリェット」
あまりにも有名なシェークスピアの名作悲劇の映画化です。
この戯曲は13回も映画化されていますが、フランコ・ゼフィレッリ監督による68年版は、かつてない大胆な解釈と新鮮な演出、全編をつらぬくみずみずしい現代感覚、これらが若い世代の観客にアピールして世界的なヒットになりました。
「慕情」
異国情緒あふれる香港を舞台に、熱く燃えあがる、混血の女医と妻子あるアメリカ人記者の激しい恋を描いた同名映画の主題歌「恋はすばらしきもの」の旋律です。
第4部 外国曲
「埴生の宿」
イギリス人ビショップ作曲の愛唱歌ですが、この曲、山田耕筰の編曲です。
ピアノパートにかなり工夫がみられます。
「流浪の民」
この曲ほど古くから愛されている合唱曲もないであろう。
木かげで露営するジプシーたちの様子が生き生きとしたテンポで描かれている。
歌い古された合唱曲としてではなく、「シューマンの作品」としてアプローチしてみたい。
「花のワルツ」
チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」の中に出てくる有名なワルツ。
チャイコフスキー独特のロマンチシズムが美しい。女声四部の華麗な響きをお楽しみ下さい。