合唱団コルス・フローレス
第4回定期演奏会 プログラムノート
第1部 宗教曲
キリエ(主よあわれみたまえ)
作曲者モラレスは、16世紀前半にスペインで活躍した作曲家です。16世紀前半と言えば、今からおよそ450年も前の時代、日本ではちょうど戦国時代になりましょうか、当時のルネサンス音楽のスタイルで書かれた無伴奏多声合唱曲です。
彼は深遠な創造の泉を持ち、高貴な霊感と傑出した表現によって完全無欠のポリフォニー音楽を書きました。この曲もグレゴリオ聖歌の「アヴェマリア」のテーマを基にして作られた曲で、澄みきったハーモニーの中に敬けんな信仰と崇高な精神を表現しています。
小ミサ曲
フランスの作曲者のロパルツは1864年に生まれ、1955年に亡くなっています。ということは19世紀末から20世紀前半にあたり、「フランス近代」と言われる時代に活躍した作曲家です。
彼はヴァイオリンソナタ等で有名な大作曲家のフランクに学び、その最後の優れた門下生として作曲家として活躍しましたが、指揮者としても活動し、フランス音楽界に貢献しました。
この作品は決して表面的な派手さはないが、フランス近代の作品らしく洒落たハーモニーも持ち、しかも深い敬虔な思いをもった落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
第2部 中田喜直の合唱曲
中田喜直は言うまでもなく現代わが国を代表する作曲家。親しみやすいメロディーと美しいハーモニー感覚で傑作も多く、歌われる機会も大変多い。
この合唱曲はすべて彼の「女声合唱曲集第1巻」に収められている曲で、美しい日本の抒情をあらわした曲ばかりで、難易度も高くなく、合唱をやる人なら誰でも1度は歌ったことのある作品である。
「ぶらんこ」
春の日の夕暮れ、遊んでいた子供達も静かになった公園のたたずまいを独特な優雅さで表現した愛らしい作品です。
「忘れな草」
メロディーがとても優しく、女声合唱の良さを十分引き出した曲である。
「夏の思い出」
ご当地ソング。あまりにも有名な曲。
「石臼の歌」
秋の日を、綸回の手臼押し回し…、愛に傷ついた女性が自分の回す石臼に宿命を感じながら思いを巡らす。
「雪の降る町を」
この歌も有名な曲でコメントの必要はないでしょう。内村直也の詩が素敵である。
第4部 オペラ合唱曲
オペラ「椿姫」より 「プロヴァンスの海と陸」
パリの社交界で、夜毎に花から花へ飛び回る蝶のような生活のヴィオレッタに、純粋に恋してしまったアルフレード。
ある日、彼の父親がやってきてヴィオレッタに「妹の縁談に差し支えるから別れてほしい」と迫り、泣く泣く承諾します。
彼女の心変わりに激怒するアルフレード。そこに父親がやってきて、この歌を歌い彼を慰めます。「お前の故郷プロヴァンスを思い出してごらん…」
オペラ「ホフマン物語」より 「ホフマンの舟歌」
パリで活躍した喜歌劇作曲家オッフェンバックの代表作「ホフマン物語」の第2幕で歌われる有名なバルカローレ(舟歌)である。
本来ソプラノとメゾソプラノの二重唱であるが、今日は合唱で聞いていただきます。
オペラ「サムソンとデリラ」より 「君がみ声に我が心開く」
この曲は、旧約聖書にでて来るサムソンとデリラの物語をサン=サーンスが作曲したオペラの中で、デリラによって歌われるアリアであるが、女声三部の編曲版によって聞いていただきます。
オペラ「さまよえるオランダ人」より 「糸紡ぎの合唱」
ワーグナーの初期の傑作、歌劇「さまよえるオランダ人」の2幕で歌われる女声合唱曲である。オペラの中では女声合唱の名曲は少ないのだが、この曲はその中にあって有名なものである。
糸紡ぎをしながら海に出ている男達を待つ女性達の歌が、ワーグナーらしい重厚な和音の中で歌われる。
オペラ「エフゲニ オネーギン」より 「田舎娘の合唱」
「エフゲニ オネーギン」はチャイコフスキーの代表作であるばかりか、ロシア歌劇の中でも最も重要な作品である。
若者の恋の悲劇を描いた作品であるが、この合唱曲は物語の内容にはあまり関わりなく、他愛の無い内容であるが、音楽はチャイコフスキーらしい色彩に満ちている。
フィナーレ
「花のワルツ」毎度おなじみ“花の合唱団”コルス・フローレスのテーマソングにしているチャィコフスキーの「くるみ割り人形」から「花のワルツ」を今回も最後に聞いていただきます。